○潜入四〜五日目○
潜入開始からすでに数日が経過していた。
この頃になると二人ともだいぶん学校に慣れてきて、徐々に色々探る余裕も出てきた。
蛮と銀次にケンカを売る不良達もちらほら現れてきてはいたが、有無を言わさず返り討ち(問題にならない程度に痛めつけた)にして追い返したりしていた。
そんな中、依頼の品をもっているらしい問題の教師の情報を収集していた蛮の耳に入ってきた、ひとつのウワサがあった。
「はぁ? オレが幽霊に憑かれてるって?」
「まぁ、僕も風の噂でチラッと聞いただけなので…」
それだけ言うとその二年の男子生徒はそれじゃ、とそそくさと逃げるようにその場を後にする。蛮が首を傾げつつ廊下を見回すと、興味津々といった感じで二人のやり取りを聞いていた生徒達がいっせいに視線を外した。
「? なんだ?」
蛮がきょとんとしていると、廊下の奥から銀次がものすごい勢いで走ってきた。
「蛮ちゃん、蛮ちゃん!」
「おう、どうした」
銀次は走ってきた勢いそのままに蛮の腕をがしっと掴むと、そのまま引きずっていこうとする。
「ん?」
蛮が視線で問いかけても無視してそのまま連れて行こうとするので、蛮は仕方なく銀次についていく。
蛮を強引に連れ出して、銀次が向かったのは寮の自室だった。
この時間、みんなはまだ授業中なので寮には誰もいなかった。
「それで、一体なんだってんだ?」
「あのね、例の写真もってるかもしれない先生のことで、わかったことがあったんだ!」
銀次の調べでは、その教師は自宅から通っているのではなくここの寮にはいっているらしい。
「いまなら、寮には誰もいないよね?」
「よし、今から行くか!」
すくっと立ち上がると、蛮は勢いよく部屋のドアを開けて廊下へと飛び出していく。
……一時間後。
家捜しをした寮の部屋を元通りに戻し終えて、ぐったりとその場に座り込んでいる二人の姿があった。
「写真、なかったね。蛮ちゃん…」
「……ああ」
探せそうなところはすべて探したが、依頼の品である写真は結局見つからなかった。
「あとは…職員室の机、担任の教室…部室とか?」
指折りしながら数えて銀次はふとあることに気がついた。
「ねえ、蛮ちゃん。あの先生って何部の先生だっけ?」
「それを先に調べて来い!」
ガスッ
蛮の裏拳が銀次の後頭部に見事にヒットした。
→ It continues.