〜4〜
「本当に……チョコレートを食べただけで子供に……」
いまだにショックから立ち直れないホークアイを加えた五人は、執務室のソファに座り、テーブルの上に置かれたままの問題のガラス瓶入りのチョコレートをなんともいえない気分でながめていた。
「まったく……一体誰がこんな物を送りつけてきたんだ!?」
いらだたしそうに腕を組んで、ロイ。
「大佐に恨みのある人物とかかな?」
「う〜ん」
「大佐にフラれた女からとかっすかね?」
「うるさいぞ、そこ!」
ロイはじろりとハボックを睨んで黙らせてから、
「本当にいったい誰が、何の目的でこんな物を!?」
と、そこに――
「よお、ロイはいるか?」
ノックもなしに部屋に入ってきたのは、中央にいるはずのマース・ヒューズ中佐だった。
「俺がむこうから送った荷物、届いたか? 裏ルートで手に入れた珍しい薬なんだが、ちょっとおもしろいかと思ってお前に送ってみたんだが――って」
一人で勝手にしゃべりながらテーブルのそばまで歩いてきて――そこで始めて室内の状況に気がついた。
黙ったまま自分を見つめる、三人の冷たい視線――言うまでもなく、その『珍しい薬』とやらで子供化してしまったロイ、ハボック、ホークアイの三人のものである。
「な……なんだ?」
室内にいる三人が子供化していることにやっと気がついたヒューズは、その三人から感じるただならぬ雰囲気におされるようにして、無意識に一歩、後ろに後ずさった。
「そうか……これの送り主はお前か……」
感情のまったくこもっていない声でそうつぶやいて、ロイが静かにソファから立ち上がった。
「お、おい!?」
ヒューズの呼びかけを無視して、ロイは机まで歩み寄ると引き出しに手をかける。そしてそこから取り出した発火布の手袋を右手にはめると――ゆっくりとヒューズの方に身体をむける。
「ちょ、ロイ。なんかお前、怖いぞ……?」
完全に目がすわっている親友の様子に、ヒューズは思わず冷汗を流した。
「…………………………」
「ちょ、落ち着けって!」
無言でヒューズとの距離を詰めてくるロイ。
慌てるヒューズ。
そのあと、ヒューズがどうなったかは、その場に居合わせた四人だけが知っている――――
end